コスプレに関しての基礎知識

近頃頻繁に耳にする言葉のひとつに「コスプレ」があります。これは略語で正式には「コスチューム・プレイ」です。フルネームを呼ぶ人はほとんどいませんし、「コスプレ」のほうがイメージは涌きます。コスプレは和製英語にもかかわらず今は世界的に通用する単語となっています。この記事ではコスプレに関しての基礎知識について詳しく解説します。
コスプレができた経緯とは?

アニメの登場人物やゲームキャラクターに扮したり、好きなアーティーストやアイドルの衣装を真似たりするのがコスプレ。もともとは、あまり良い意味では使われていませんでした。立派なコスチュームや衣装で着飾っているのに、内容な中身が伴っていない艶劇や芝居があります。それらを馬鹿にする意味で使われることがありました。
面白くない内容なのに衣装だけは立派だね!そんな秘肉まじりに使われていたわけです。次第に意味が変わってきてコスチュームや衣装だけに特化した風に変わってきました。自分が扮しているキャラクターになりきることが楽しい趣味になってきました。コスプレの格好をして楽しんでいる人を「コスプレーヤー」と呼ばれることもあります。さらに省略されて「レイアー」と呼ばれることもあります。
コスプレという言葉が使われ出したのは、2000年頃です。SF映画が流行りだしてアメリカ在住の若者を中心に使われだしました。米国の各地でも自分で作ったコスチュームを披露するイベントが各地で開催されはじめました。その影響が日本にも伝わってきたのです。日本で爆発的に流行し、今は本家のアメリカを上回るカルチャーになっています。まだまだ歴史が浅いコスプレです。これからは日本を中心にどんどんと拡大していくことでしょう。
アメリカでのコスプレはハロウィーンパーティーでも、その素地がありました。だからコスプレが生まれたという説を唱えている人もいます。コスプレという定義も難しいのですが、今のようなゲームのキャラクターやアニメのキャラクターに扮することをコスプレと言うならば、日本が発祥と言うこともできるでしょう。
日本独特のサブカルチャーとして、漫画・アニメ・ゲームがありますが、それらに影響された外国人が日本に旅行へ来ていろいろなコスチュームを着て、繁華街を歩く姿を見かける機会が増えています。日本ではコスプレが認知されているから堂々と楽しめるのでしょう。
コスプレムーブメントは今や世界中で楽しまれてきています。コスプレのコミュニティも広がってきましたし、認知度も高くなってきています。アメリカ人はスターウォーズなどのハリウッドのSF映画のコスプレが人気です。東南アジアでは日本のアニメのキャラクターコスプレに憧れを持っているひとが多いようです。
中国では全国的レベルでコスプレイベントが開催されていることもあります。毎年コスプレの人気はたかまっています。これまでは外国人が日本にコスプレファッションを自慢しにきていました。近頃は日本人が海外にコスプレを披露しにいくシーンも増えてきたのです。
コスプレの最大の魅力は、普段の自分とは異なった人間に変身して楽しめることでしょう。大部分のコスプレーヤーはコスチュームを着ることで違う自分になれるのです。それがストレス解消になって楽しいわけです。服を着たりメイクを工夫したりで楽しめるコスプレが流行るのも理解できますね。
コスプレにはどういった魅力があるの?

実際にコスプレを経験した人に、魅力を理解してもらえないかもしれませんが、たくさんの魅力があるのです。だからこそ、これだけ有名なカルチャーとして根付いているのです。
一番の魅力は「非現実」「非日常」を気軽に楽しめることです。サラリーマンやOLさんは普段スーツを着たり、かっちりとした服装をしたりしています。真面目に仕事をしているのです。しかし、コスプレイベントのときは、自分が大好きなキャラクターに変身します。一般の人から注目されて写真を撮影されたりする場合もあります。普段の生活では体験できない楽しみがあるわけです。
日常生活で見知らぬ他人から「一緒に写真を撮影してもらってもいいですか」なんて話しかけられることはありません。芸能人や有名人なら別ですが……。普段は真面目に生活しているのに、コスプレで変身することで、いろんな人達から声をかけられるという非日常を体験できます。これは、一度体験すると癖になるほど快感を得られるのです。
学校や職場で悲しい事や嫌な事があっても、コスプレをして変身している時間は普段の自分ではありません。現実逃避してコスプレに熱中できるのも魅力でしょう。普段の自分ではない自分を発見するのも刺激的です。コスプレをしている人達と同じところで共感しており、コスプレが趣味の人達同士が仲良くなれるのもうれしくなります。
コスプレイベントで親しくなった人達と交流を持つこともあります。イベントで顔なじみになると、プライベートでも遊ぶようになったりするのです。これもコスプレの魅力になるでしょう。
コスプレが生まれたのは古く35年前ほどのこと

今のコスプレイベントの起源は「仮装パーティー」で、35年前ほどには各地で開催されていました。映画やアニメのキャラクターの衣装やメイクで仮装して楽しんでいました。その珍しさもあって仮装パーティーの様子がいろいろなメディアや雑誌に取り上げられたのです。
その情報を見た人達が影響を受けて「自分たちもやってみよう」ということになり、さまざまなキャラクターの衣装で仮装する人達が登場してきます。現在のコスプレのように日本各地に流行し、今や世界各地へ広まっています。そして、平成に入ると大ヒットアニメが生まれます。それが「新世紀エヴァンゲリオン」です。空前の大ヒットになり、アニメの主題歌「残酷な天使のテーゼ」などがベスト10に入るようになります。書店ではエヴァ特設コーナーが設置されてきました。日本アニメが社会現象になったのがこのときです。エヴァ現象と言われています。
「新世紀エヴァンゲリオン」の影響で、これまでコスプレに関心がなかった人達もコスプレを始めだしたのです。「新世紀エヴァンゲリオン」のコスチュームを専門的に販売する店舗も登場しました。そして、コスプレが全盛期になるのです。
そんな時代も昔になってしまいました。時代は変わって今は、コンセプトに合わせたスタッフがいるレストラインやカフェが誕生しています。また、コスプレをしている人だけをターゲットにしたイベントが各地で開催されて盛り上がっています。コスプレの広がりは多種多様な様相を見せています。
世界で見ても日本のアニメの人気はとっても高いです。日本アニメのキャラクターに変身してコスプレを楽しむ外国人も増えてきています。中にはコスプレに憧れて日本に留学する人もいます。これから、どのような広がりを見せるのか予測できませんね。
コスチュームを自作する場合のポイント

コスプレはメイクも大事ですが、やはりコスチュームがポイントになります。自分がなってみたいキャラクターと同じ服装をまとってイベントに出かけると楽しいですね。しかし、なかなかそのキャラクターのコスチュームを販売している店舗がないこともあります。
たとえ販売している店舗があっても数十万円もするならば、ちょっと手がでません。そんな場合は、自分でコスチュームを作るチャレンジをしてみてください。日本人は手先の器用さやアイデアも豊富なので、そんな国民性もコスプレを支えているのでしょう。
コスプレビギナーの大部分は自分で衣装を作っています。はじめのうちは、なかなか上手に作れないでしょう。しかし、経験値を上げることで、次第に上手になってきます。自作だからといって恥ずかしがることはありません。自身を持って自作のコスチュームを作ってみましょう。勇気を出すことも大事ですね。
最初にするべきことは、どういったキャラクターに変身したいのかを決めることです。それが決まったら、紙にデザインをしてみてください。映画やアーティストなど、実際の人間が着ている場合は、素材や色も詳しく書き入れます。
ゲームやアニメなどの二次元の場合は、実際に存在していないキャラクターです。素材は可能な限り簡単に手に入るようなものを選ぶといいでしょう。
イメージが完成したら、その形に似た型紙を作りながら、作り方を検討したり探したりします。近頃ではコスプレをテーマにした裁縫を教えてくれるガイドブックも市販されています。活用できると思います。材料も100均で入手できるものを応用すれば負担も最小限で済みます。布を購入して型紙に合わせて裁断し、縫って完成させましょう。
コスプレのカテゴリーはいろいろ

コスプレをひとことで言いますが、たくさん種類があります。その種類も減る事はなく増える一方ですね。思い思いのコスチュームをまとってコスプレを楽しみましょう。
コスプレは自分の大好きなキャラクターになりきることがポイントになります。キャラクターが登場するタイプならば、映画でもゲームでもコミックでもコスプレのカテゴリーと同じです。
擬人化もコスプレの一つです。人間ではなくてロボットや動物のキャラクターに変身する場合もあります。擬人化コスプレの典型的なものは、猫耳のカチューシャとか、お尻につけるシッポです。こういったアイテムは比較的リーズナブルですから試しやすいです。
アニメのキャラクターを仮面・お面を顔につけるコスプレも手軽です。ロボットや動物のキャラクターの着ぐるみとなると少し大規模になります。好きな人は戦隊ヒーローの特殊スーツをテーマにしたコスプレもあります。ビジュアル系のバンドのメンバーのヘアスタイルを真似るものもコスプレの一種です。
コミック・ゲーム・アニメなどの登場してくるキャラクターが着用しているコスチュームを着たりするだけではありません。その人物が通っている学校や所属している組織や団体の学生証や社員証までも作られたりします。
世界で受け入れられているコスプレ

今はコスプレの聖地と見られている日本。コスプレを趣味にしている外国人は来日をしてきます。近頃では諸外国でも大規模なコスプレイベントが開催されています。聖地は日本に限らず、諸外国へ拡大しています。
アメリカ・ヨーロッパ・台湾・韓国・中国・タイ・ベトナムなどでも大きなイベントが開催されています。日本からもたくさんのコスプレーヤーがイベント目的で旅行するようになっています。中には優勝決定戦に出場できるコスプレーヤーを選ぶ予選が開催されるほどの本格的なものもあります。日本においてコスプレは「オタク文化」の一つという位置づけが根強く残っています。まだまだたくさんの人に理解されていないこともあります。
諸外国では日本と違っています。コスプレの文化が「オタク文化」の一つとは考えていません。自分が好きなキャラクターに変身して楽しむイベントになっているのです。日本発祥のコスプレですが、異文化への差別意識が強いエリアでは、好意的にとらえていない場合もあります。
日本の文化が次第に広がって差別的に見られることは少なくなっています。しかし都会から離れると差別的な面でみられることもあるようですから注意しましょう。諸外国でのコスプレイベントでは各国で人気のアニメやキャラクターに変身することだけでなく、日本で人気のキャラクターに変身する人も少なくはありません。
まとめ

いかがでしたでしょうか?コスプレに関しての基礎知識をいろいろ紹介しました。あなたも非日常を経験するためにコスプレデビューをしてみてはどうでしょうか。一度コスプレをしてみると人生感が変わって楽しいですよ。